~ずっと住み続けられる生駒のために~
2024年3月25日
生駒の公共交通を守る会
ちょうど10日前となる3月15日に、生駒市は奈良交通株式会社の申入により協議が続いていた市内4路線について、同社と協定を締結して運行が継続されることになったことを発表しました。
同社による協議申入から2年、その表面化からも1年半が経過し、この間対象路線沿線住民は不安にさらされてきました。この度同社との協議がまとまり、対象路線全てについて運行が継続されることになったことは喜ばしく、このような決定を導いた関係者の尽力に感謝を申し上げる次第です。
路線バスの危機が社会問題化している今日、都市部を含めた多数の自治体で公共交通政策を積極的に進める動きが加速しています。もはや交通事業者のみの努力に任せておくことに限界が来ていることは誰の目にも明らかとなっており、行政や住民の取組が求められているところでした。問題の表面化以来、沿線住民は改めて路線バスのありがたみを知り、意識してバスに乗るようになるといった意識の高まりがみられ、また本会も利用促進ポスターの掲出や地区内での学習会更には高名な研究者や沿線関係者を招いた公共交通問題シンポジウムの連続開催により、市民の公共交通問題への関心を高めると共に利用促進に努めてきたところです。しかし生駒市のような都市部路線バスの危機は大きな問題であることからこうした市民のみの努力には限界があり、行政の取組も求められていたところです。
今回の運行継続は生駒市と奈良交通との協定の形式をとり、そこでは奈良交通に対する補助のみならず安定した公共交通サービスの提供に向けた両者による協働が謳われ、幾つかの具体的事項を協働事項として列挙しています。これは公共交通の安定的な継続のための制度的基盤を提供するものといえ、高く評価されるものです。
従来の生駒市の公共交通政策は路線バスに関しては残念ながらみるべきものがありませんでした。これは同市の公共交通政策の根本的な転換といえ、全国の動きに連なることになったといえましょう。
ただ市長記者会見では利用者が減少すれば再び路線再編を議論する必要があると述べられるなど、依然として路線バスの存廃を将来のまちづくりの観点からではなく専ら沿線住民の問題として捉える意識が示されており、また協定中の守秘義務規定はこれまでの生駒市におけるバス問題の経緯からすると懸念されるものといえます。更に従来の3者協議のあり方は公共交通問題への取組という観点からは疑問の付されているものであり、改善が求められるものです。
こうした課題が残されていますが、今回協定という形で長く続いてきたバス問題の解決を図る決断をした生駒市の決定自体は住民からは歓迎されるものです。しかし路線バスを含めた公共交通は当然にそこにあるものではなく住民の不断の利用なくしては持続しえないものであることを今回の一件は広く知らしめました。よって今回の決定は問題の最終的な解決という訳ではありません。本会は将来もこのまちが存続するために、引き続き住民の公共交通問題への関心を高めまた利用促進を図る活動を継続していきます。
最後になりましたが、これまで本会の活動にご理解ご支援を賜りました方々に、この場でも改めてお礼を申し上げる次第です。
生駒市地域公共交通活性化協議会
https://www.city.ikoma.lg.jp/0000001239.html
路線バス協議が取り上げられたのは2022年6月の令和4年第1回(
https://www.city.ikoma.lg.jp/0000030535.html#link-20221
)からです(資料7)。9月の第2回(
https://www.city.ikoma.lg.jp/0000030535.html#link-20222
)では初めて協議会に具体的再編案が提示され、その検討がなされています(資料4)。12月の第3回(
https://www.city.ikoma.lg.jp/0000030535.html#link-20223
)では再編案と前回示された工程表が撤回されると共に今後の市の対応方針が示されています(資料6-2)。2023年6月の第1回(
https://www.city.ikoma.lg.jp/0000032933.html#link-202301
)には2022年度までの協議対象路線の収支が示されています(資料7当日資料)。8月には第1回分科会が開催されています(
https://www.city.ikoma.lg.jp/0000032933.html#link-202301b
)。9月の第2回協議会(
https://www.city.ikoma.lg.jp/0000032933.html#link-202310
)では分科会非公開について激しい議論がなされています(議事概要)。
生駒市3者協議 https://www.city.ikoma.lg.jp/0000031925.html 第2回資料(https://www.city.ikoma.lg.jp/cmsfiles/contents/0000031/31925/2kaishiryou1)には生駒ニュータウン線とひかりが丘線の利用状況に関する詳しいデータがあります。
市民の声
〇各種団体から出された要望書
https://www.city.ikoma.lg.jp/cmsfiles/contents/0000030/30535/20223yobosho.pdf
〇2022年10月沿線住民アンケートの個別意見
〇2023年1月市説明会での個別意見と回答
https://www.city.ikoma.lg.jp/cmsfiles/contents/0000001/1239/shittsumonkaitomatome
生駒市地域公共交通計画
https://www.city.ikoma.lg.jp/0000025418.html
生駒市長メッセージ・記者会見(2023年以降)
〇6月28日(補正予算による協議期間1年延長を受けて)
https://www.city.ikoma.lg.jp/0000032942.html
〇10月17日記者会見(バス100円デー実施の報告)
https://www.city.ikoma.lg.jp/cmsfiles/contents/0000033/33811/20231017_kiroku.pdf
バス問題は3頁
〇10月26日(本会記者会見報道を受けて)
https://www.city.ikoma.lg.jp/0000033885.html
宇都宮浄人関西大教授(第1回シンポに御登壇)のホームページ
https://wps.itc.kansai-u.ac.jp/t110025/?doing_wp_cron=1702390419.2230920791625976562500
宇都宮先生が代表を務められる「人と環境にやさしい交通まちづくりプラットフォーム滋賀」のホームページ
https://yasashiikotsushiga.wixsite.com/machizukuri
「団体概要」下の「ネットワーク」には各地で公共交通問題に取り組む団体のリンク集があります。
加藤博和名古屋大教授(第3回シンポに御登壇)のホームページ
http://orient.genv.nagoya-u.ac.jp/kato/Jkato.htm
全国のバス問題に関する多数のリンク先があります。
クロスセクター効果(近畿運輸局資料)
https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/cross_sector_leaflet.pdf
クロスセクター効果の解説は多数にわたりますが一般の方にも分かりやすいのはこれです。
国土交通省の交通政策(最新情報はこちらから)
https://www.mlit.go.jp:8088/sogoseisaku/transport/index.html
・国の路線バスに対する補助制度(地域公共交通確保維持事業)
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/content/001633926.pdf
奈良県北で特に問題となるのは「地域間幹線系統補助」です。
・エリア一括協定運行事業(国の新補助制度)
https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/tsukuro/shien/pdf/R5/R5_zentai.pdf の7頁
・地域交通「リ・デザイン」有識者検討会
https://www.mlit.go.jp:8088/sogoseisaku/transport/sosei_transport_tk_000183.html
奈良県の路線バス補助事業
https://www.pref.nara.jp/28742.htm
「基幹公共交通ネットワーク確保事業」が路線欠損額に対する補助で、「バス環境向上事業」にバス車体購入補助や停留所整備補助等があります。
奈良市地域公共交通会議
https://www.city.nara.lg.jp/site/shingikai/8206.html
2023年2月以降更新が止まっています。
地元議会関係
〇奈良市議会会議録
https://ssp.kaigiroku.net/tenant/narashi/pg/index.html
「奈良交通」などで検索してみて下さい。各議員の取り組みが分かります。
〇塩見牧子生駒市議会議員
https://katudo403.exblog.jp
バス問題は2022年12月2,11日、2023年1月18,22日、2月15日、3月26日、10月12日、11月3日にあります。
活動紹介
X(旧Twitter):@ikoma.bus